熱中症を症状別に分類してみた【厚生労働省版と救急医学会版】

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熱中症が、近年では気候の変化もあり様々な問題となっています。
また、高齢化も影響して患者の状況も重篤なものとなっています。

そのような様子にも、関連した厚生労働省版と救急医学会版の熱中症を症状別に分類したガイドラインなどが出されましたが、主にどちらも日本救急医学会の資料を基に作成されているようですので、その分類についてご紹介したいと思います。

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熱中症を症状別に分類する目的

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日本救急医学会熱中症に関する委員会では、地球規模の温暖化の中で熱中症の予防と治療をすることが重要な課題となることが予想されるとしています。

同時に政府機関とも連携して、国民に対する啓発活動の一環のガイダンスにしたものです。

夏季の時期には、熱中症患者が全国の救急医療機関へ搬送されることが多いので、そのようなデータからもその特徴を分析することを実施しています。

今後の日本でも高齢化や貧困化、孤立化などが進むとみられており、熱中症の現在の状況からの予防対策などを講じようとしているのです。

また熱中症に罹った場合の、早期での対処の仕方や熱中症の重症化と、合併症を医療機関で回避できるようにその診断や治療法を確立するための情報の提供なども目的としています。



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熱中症を症状別に分類する対象と方法

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基本となるデータは、2012年6 月1 日から 8月31 日までの3 か月の間で調べたものです。

103の施設から2,130例で男性が1381名と女性が693名、未記載が56です。
登録症例数としては、平均年齢が45.6歳から前後の25.6 歳で1歳から102 歳まで、中央値は44 歳です。

男性は、平均年齢が44.1 歳で中央値は42 歳、女性の場合は48.5歳で中央値が50歳でした。
熱中症の重症度ではI 度が984例、II 度が614例、III 度は336例で未記載が196です。

対象者の作業内容は、スポーツが494例で仕事が725例、日常生活やレジャーをしていてというのが630例で未記載は281でした。

その内、日なたは1165例、日陰が54例、屋内は831例で未記載は12でした。
そして、死亡例が39 例あったのですが、熱中症を原因とする症例としては28 例あったということです。

熱中症の症状別分類

熱中症の症状別分類

出典:住友建機株式会社

次の分類は、日本救急医学会の熱中症に関する委員会が推奨する分類で、日本救急医学会熱中症分類で2015年度の症状重症度治療臨床症状からの分類というものです。

熱中症診療ガイドライン2015-日本救急医学会に掲載されています。

Ⅰ度

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この時点では、応急処置と見守りが必要です。

症状として、立ちくらみやめまい、生あくびがあり、大量の発汗と筋肉痛、さらにこむら返りなどの筋肉の硬直があります。
JCS=0という意識障害はない状態ですので、現場で通常は対応が可能です。

対応としては、体表を冷却して冷所で安静させ、経口的にナトリウムと水分との補給をします。
熱けいれんとか熱失神がある場合もあります。

Ⅱ度

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医療機関へ搬送する必要があります。

症状としては、嘔吐や頭痛、倦怠感や虚脱感があります。
JCS≦ 1という判断力や集中力が低下しますので、医療機関での診察が必要です。

対応としては、体温の管理や安静と共にNaと十分な水分との補給が必要です。

このような経口摂取が難しい時には、点滴で補給します。
熱疲労があります。

Ⅲ度

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入院して治療が必要となります。

次のような3つの症状のどれか一つでもみられるとⅢ度に該当します。

中枢神経症状でJCS≧ 2の意識障害があり、小脳症状や痙攣発作がある場合です。
(H/K)という肝臓や腎機能障害があり、入院して経過観察し入院して加療が必要な場合です。

入院して治療したり、集中した治療も必要となります。

対応としては体温の管理が重要で、体表冷却だけでなく体内の冷却や血管内冷却なども必要となります。
呼吸や循環管理とDIC治療というものも必要となります。

重症度分類での注意点

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夏場などの暑熱した環境下では、体調不良になったすべての人に熱中症の可能性は考えられます。
そのような時に大切なことは、現場の迅速な見極めなのです。

重症度のそれぞれの患者、すべてに必ずしも目まいや頭痛、下痢や吐き気などの症状が起こるとは限らないのです。
上述した分類方法は、あくまでも目安の範囲として判断して欲しいとのことです。

例えば患者が、筋肉痛や目まいなどのⅠ度の比較的軽度の症状が収まらない場合に、下痢や頭痛などのⅡ度の症状は起きていないから、病院に行くまでではないといったような自己判断はしないようにしましょう。

患者の熱中症の症状や容体は、その患者の様々な熱中症になった条件や環境、そして救護のタイミングなどによって刻々と流動的に変化するからです。

特に体温や発汗量、意識障害の程度では変化が激しいので、経過観察や救護の時には注意が必要なのです。

まず熱中症にかからないことや、予防をすることが一番に大事なことです。

でも、もし熱中症になった場合にはこのガイドラインの内容を参考にして、患者が出た現場にいる本人や周りの人などがより正しい判断をして適切な処置をすることで、重症化することを防ぐことが可能です。

その他の分類方法

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日本救急医学会の重症度で分類するという方法の他に、熱中症のかかり方という面に注目した分類方法というのもあります。
この方法は、熱中症になった患者のかかった当時の状況により分類するものです。

それは、労作性熱中症非労作性熱中症という分類方法です。
そして、治療を始める時に医師もこの分類方法を確認するという重要なものです。

患者が、医療機関を受診するときに熱中症に、どのような経緯で罹ってしまったのかなどを説明する場合や治療後の予後の経過の予想の助けともなります。

労作性熱中症

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この熱中症では、炎天下や屋外の暑熱環境と肉体労働やスポーツなどが状況として合わさって罹るという場合が多いもので、特に若年層から中年層の男性に多く発症しやすいものです。

熱中症の発症までの時間というのは、この場合には数時間と早く患者自身や周りの人も、比較的すぐに異変に気付くことができるようです。

このような熱中症の注意するポイントとしては、対象者がまだ肉体労働などの仕事に慣れていない時期の仕事の際に、本人がついつい頑張ってしまい周囲の者が異変を気付けないというようなことがあります。

また、周りの人になかなか申告できにくいようなクラブ活動や学校行事も同様です。

熱中症にならないように、現場の責任者や監督、コーチや先生などの指導者が注意を全体に配ると共に、肉体労働などの作業や練習に対しては、作業などに対しての柔軟な対応や熱中症に罹ったかも知れないと、申告しやすいような環境づくりをつくることが必要です。

労作性熱中症では、このように重症度の段階の変化などにも早く気づくことができ、頭痛や下痢、吐き気などがいきなり起きたりして上述したⅡ度の症状が現れる場合があります。

この時に処置を適切に行うことですぐに症状は、治まる場合が多いのです。

そして、重症度Ⅰ度の身体の異変を軽度の状態の時に見逃さずに、落ち着いて対応し治療をすることが重要です。

非労作性熱中症

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古典的熱中症とも呼ばれるこのタイプは、主に屋内で起こりやすいものです。
高齢者が特に罹りやすく、性別による差などはあまりありません。

熱中症にも数日にわたって発症するまでに徐々に悪化していきますから、体調不良を患者本人も自覚しづらいという点が大きな問題となります。

非労作性熱中症が起こりやすいのは、熱帯夜が連続して発生する時期や猛暑日などで、食欲や体力が徐々に減衰して脱水が、より進行してしまいます。

そして、何よりも熱中症の悪化を見過ごしやすいという点です。

熱中症初期のⅠ度の筋肉痛や目まいなどの症状を長期間に渡って、熱中症という自覚がないままに放置していると、Ⅱ度以上の症状がある日突然に表れるという危険がありますので注意してください。

以前は、熱中症は日射病や熱射病等に分類されていたのですが、2015年公開のガイドラインによって重症度による判断が推奨されています。

もし熱中症で下痢やおう吐、頭痛等の症状があるのであれば、迅速に医療機関での診察が必要です。
熱中症の新基準を知って迅速な対応に役立ててください。

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