認知症の対応完全マニュアル【施設向け】~15種類の症状と対応策~

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認知症にはさまざまな症状が現れますが、その症状によって介護する方の対応はまちまちだと思います。認知症の症状別にきちんとした対応策を取ることで人によって対応に悩むことが少なくなります。

マニュアルに沿って対応したり、状況に合わせて臨機応変に対応することが大切です。

ここでは、認知症の症状別の対応策についてご紹介していきます。

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記憶障害

1、 記憶障害

認知症の症状で特に現れることが多いのが「記憶障害」です。記憶障害は初期から後期までずっと現れる症状で、認知症の進行とともに症状も悪化していきます。

ここでは、記憶障害について見てみましょう。

なぜこのような症状が現れるのか?

認知症を発症すると脳が委縮してしまい、記憶を司る「海馬」という部分が正常に働かなくなるため記憶が抜け落ちるためこのような症状が現れます。

また、記憶障害は認知症の進行度によっても症状の現れ方が違います。

  1. 初期症状:認知症の初期段階では、新しい事が覚えられないので、同じことを繰り返し聞いてきたりします。
  2. 中期症状:認知症の中期段階では、自分がついさっき体験したこと自体を忘れてしまいます。
  3. 後期症状:認知症の後期段階では、昔の事も分からなくなってしまったり、言葉の意味をわかなくなってしまったりします。

症状が出た時の対応策

記憶障害の症状が出たとしても本人は自覚がありません。

まずは、話していることを否定せずに受け入れるようにしましょう。否定をされると不安な気持ちになってしまいます。相手の話が間違っていても受け入れることで安心することができます。

また、初期の段階から回想法や脳トレなどを取り入れることで進行を遅らせることができます。

それでも症状が悪化していっている場合は、医師に診てもらい進行を遅らせる薬をその時の状況に応じて処方してもらうようにしましょう。



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見当識障害

見当識障害2

認知症を発症すると初期段階で見られる症状の1つです。見当識とは自分が置かれている状況を認識することで、障害が出ると日時や場所などを把握することが出来なくなります。

ここでは、見当識障害について見ていきましょう。

なぜこのような症状が現れるのか?

認知症を発症すると脳が委縮してしまい、脳機能が低下してしまうため症状が現れます。

症状の現れ方としては、

  1. 日時や季節がわかなくなる
  2. 場所が分からなくなる
  3. 周りの人が分からなくなる

などです。

これらの症状が出ている場合は、自分の場所が分からず徘徊を繰り返したり、季節が理解できず服を着込んだりして脱水症状を引き起こすことがあるので注意が必要です。

症状が出た時の対応策

見当識障害が出ると、自分の場所が分からず徘徊することが多くなります。勝手に外に出ていくこともあるためフロワー内から出ないように注意して見るようにしましょう。

また、トイレの場所が分からずトイレ以外の場所や失禁することがあります。時間を決めてトイレに連れていったり、トイレの近くに部屋を変えたりしましょう。

それ以外にもトイレの場所が分かるように大きな矢印を付けておくのも効果的です。

見当識障害が出ている方と接するときは、どんなことをしても怒ったり責めたりしないようにしましょう。そのようなことをすると逆に興奮させてしまったり、自尊心を傷つけることになってしまうので注意しましょう。

また、見当識障害が出始めた方には毎日カレンダーや時計などを使い、日時を確認させるようにしたり、脳への刺激を与える為に散歩に連れ出すなどすると良いでしょう。

その場合、一人で行かせることはせず、一緒について行き目を離さないようにしましょう。

判断力の低下

判断力の低下

認知症を発症すると自分で判断する力が低下してしまいます。

ここでは、判断力の低下について見ていきましょう。

なぜこのような症状が現れるのか?

認知症を発症し、脳が委縮すると脳の細胞が壊れてしまうと良いことか悪い事か判断する力が低下します。

そうすると季節に合った服を着ることが出来なくなったり、外出しても信号を無視して歩いて行ったりするようになります。

症状が出た時の対応策

判断力が低下している状態では、悪い事や間違ったことをしていると理解していないので怒らずに対応するようにしましょう。

また、散歩などに出かける時は事故などを起こさないように目を離さず一緒に出掛けるようにしましょう。

判断力が低下していてもやれることはあるので、認知症の進行を遅らせるためにも、自分でやれることはやってもらえるようにサポートするようにしましょう。

徘徊

徘徊

認知所を発症し見当識障害の症状が出ている方が良くされる行動です。

ここでは、徘徊について見ていきましょう。

なぜこのような症状が現れるのか?

認知症を発症し見当識障害の症状が現れると自分の場所や、今いるところが分からなくなってしまい徘徊という行動を起こしてしまいます。

徘徊を起こす原因としては、

  • 何かを探して分からなくなった場合:基本的に徘徊はじっとしていられない「多動」という症状によってうろうろしている場合が多いです。しかし、自分の家に帰ろうと思って徘徊している場合もあります。
  • 認知症特有の症状として見られる場合:前頭側頭葉型認知症という認知症の種類の特有の症状によって起こる場合もあります。しかし、他の認知症の徘徊とは違い、場所がわかなくて行動しているわけではなく、場所は理解しているが部屋の中を1周して帰ってくるなど同じことを繰り返すのが特徴です。

症状が出た時の対応策

トイレの場所が分からず徘徊している時は、部屋をトイレの近くにしたり、時間を決めてトイレに連れていくようにしましょう。また、徘徊ということを止めると怒り出すことがあるので、気が済むまで歩いてもらうようにしましょう。

ただし、歩行が不安定な場合は一緒に歩いたり、近くを歩くなど転倒しないように注意しましょう。

徘徊していることを怒っても、怒られたことでその場所が嫌な所という認識が出来てしまうため起こらないようにしましょう。

事故などの観点から外に出ていかないように注意し、話しかけて気持ちを落ち着かせるようにしていきましょう。

暴力や暴言

暴力や暴言

認知症の方は、脳が委縮していくことによって、怒りの感情を抑えることが出来なくなり、問題行動を引き起こします。

ここでは、暴力や暴言について見ていきましょう。

なぜこのような症状が現れるのか?

認知症になると脳が委縮し、脳の機能が低下していくので自分の感情を自分で抑えることが出来ず、暴力や暴言といった問題行動を引き起こします。

認知症の種類によって暴力や暴言の出方が違います。

  • 前頭側頭型認知症:この認知症になった方は、今まで穏やかだったのに人格が変わったように怒りぽくなったりします。
  • レビー小体型認知症:この認知症になった方は、幻覚などが見えるため暴力的になります。

このように暴力や暴言という問題行動が起こるのは、何かに不安を抱いたり恐怖心から起こることが多いです。

症状が出た時の対応策

暴力や暴言といった症状が出ている時は、止めようとせずまず離れるようにしましょう。興奮状態の方に何か言ったりしても逆に興奮させることになります。

暴力や暴言が出ている時に介護していた方では、同じようになる可能性があるので、他の方その方の介護を変わってもらうようにすると興奮が落ち着くことがあります。

また、興奮状態が落ち着いたら体調が悪くないかチェックしてみましょう。体調不良によって暴力や暴言といった行動を起こすことがあるのでチェックしてみるといいでしょう。

認知症の種類によっては急に暴力を振るうこともあります。

暴力や暴言がひどくなる様なら医師に相談し薬を処方してもらうようにしましょう。

介護拒否

介護拒否

認知症を発症すると、介助しようとしてもいうことを聞いてくれなかったり、介助を拒否することがあります。ここでは、介護拒否について見ていきましょう。

なぜこのような症状が現れるのか?

認知症になるとさまざまなことを忘れてしまいます。例えば、病気を治すために薬を飲むことやお風呂に入ると気持ちいいなどです。

また、薬を飲むことやお風呂に入ることなどが、その方にとって嫌なことや不安なことになってしまっている可能性があるためです。

症状が出た時の対応策

介護拒否の症状が出ている時は、まず無理強いをしないことが大切です。無理強いをすると拒否がひどくなったり、暴力を振るうこともあります。

  • 服薬拒否は、飲まないと病気が悪化してしまう可能性があるので、飲みやすい薬の形にしてもらうか、食事に混ぜて飲んでもらうようにしましょう。
  • 入浴拒否は、時間を置いてからお風呂という言葉を使わずに誘導してみましょう。無理な場合は、違う日に入浴させるようにしましょう。
  • 着替え拒否は、自分でできる方は衣類をおいて様子を見ましょう。自分でできない方は、身体のチェックをさせてくださいなどと話をすると服を脱いでくれることがあります。その際本当に体のチェックをし、実際観察したことを本人に見てもらう必要があります。
  • 食事拒否は、体調不良ではないか確認し、入れ歯など口腔内に異常がないかチェックしましょう。また、飲み込みづらい場合もあるのでその場合は食事の形を変えたり、とろみをつけるなどして対応しましょう。

どの介護拒否でもそうですが、声かけの仕方を少し変えると介護させてくれるようになります。

その際、拒否された言葉を使わないで他の言葉に変えるといいでしょう。

失禁や排尿障害

失禁や排尿障害

認知症を発症するとトイレ以外の場所で排せつしたり、失禁したりしてします。

ここでは、失禁や排尿障害について見てみましょう。

なぜこのような症状が現れるのか?

認知症の方は、トイレの場所が分からなかったり、トイレに行くという行動自体を忘れてしまい失禁してしまいます。

また、認知症を発症する方は高齢の方が多いため、身体機能が低下するため排尿障害を起こしたりします。

症状が出た時の対応策

トイレの場所が分からない場合、トイレだと分かるように大きな目印をつけるようにしましょう。

その方の排せつ周期を確認して、定期的にトイレに行くように声かけしたりしましょう。

夜中トイレに行かない場合は、部屋にポータブルトイレを設置したり、夜だけおむつを使って対応するようにしましょう。

失禁をしても怒ったりせず、優しく声かけをして対応するようにしましょう。

不眠

不眠

認知症ではない方でも高齢になると不眠などが起きます。ただ、認知症になると不眠などの症状がひどくなるので注意が必要です。

ここでは、不眠について見てみましょう。

なぜこのような症状が現れるのか?

高齢になると、脳の中にある自律神経を調節する機能が徐々に悪くなります。そうすると体内時計が上手く働かず不眠などの睡眠障害を起こしてしまいます。

その状態で認知症を発症すると脳が委縮してしまうと、さらに体内時計が上手く働かなくなり日常生活をきちんと送ることが出来なくなってしまいます。

症状が出た時の対応策

このような症状がある方は、日中は日光浴や散歩などをしてもらい、夜は部屋を暗くしたりして体内時計を正常に戻すようにしましょう。

また、動ける方は日中に散歩や体操などをさせ活動量を増やすようにしましょう。

それでも、不眠がある場合は医師に相談し、睡眠薬を服用するようになりますが、その場合起きた時に転倒する可能性があるので注意する必要があります。

物盗られ妄想

物盗られ妄想

認知症を発症すると症状の1つとして被害妄想を引き起こします。ここでは、物盗られ妄想について見てみましょう。

なぜこのような症状が現れるのか?

認知症を発症すると脳が委縮してしまい、思考能力の低下や記憶障害などの症状が出てきます。それらの症状がいくつか重なると被害妄想を起こすようになります。

また、認知症になったことで不安を感じやすくなるため、物を盗られたなどと思い込みやすくなるために起こります。

症状が出た時の対応策

この症状が出ている時は、否定などをすると更に興奮してしまうので否定しないようにしましょう。また、物が取られたと訴える時は一緒に探すようにし、違う話などをして落ち着くのを待ちましょう。

その際、大勢で対応するのではなく1対1で話を聞きながら対応していくようにしましょう。

ただし、誰かを名指しで訴えている場合は名指しされていない人が対応するようにしましょう。

昼夜逆転

昼夜逆転

認知症を発症すると体内時計が上手く調整することが出来ず睡眠障害という症状を引き起こします。

ここでは、昼夜逆転について見てみましょう。

なぜこの症状が現れるのか?

認知症を発症し、脳が委縮すると体内時計が上手く働かなくなり、通常日中は動く夜間は休むというリズムが崩れてしまい昼夜逆転の症状を引き起こします。

また、意識障害を起こし頭が混乱してしまう「せん妄」という症状が起きても昼夜逆転してしまうことがあります。

症状が出た時の対応策

この症状が出ている時は、日中起きている時間を増やすようにしましょう。部屋を明るくして、リクレーションなどをしたりするようにしましょう。

また、散歩に出かけることも効果的です。せん妄が原因で昼夜逆転をしている時は興奮していることもあります。

その場合は落ち着くまで様子を見て、落ち着いたころ話をして夜なら睡眠を取ってもらい、日中なら起きていられるように会話をするようにしましょう。

帰宅願望

帰宅願望

認知症を発症したことにより不安な感情を抑えることが出来ないと帰宅願望を訴えることがあります。

ここでは、帰宅願望について見てみましょう。

なぜこの症状が現れるのか?

認知症になると脳機能が低下するため不安感を感じやすくなります。

施設入所したころは、居心地のいい自宅とは違い施設に来たことを理解できないため落ち着かなくなり帰宅願望が出てきます。

また、施設内で怒られたりすると居心地が悪いと感じるようになり症状が出ることもあります。

症状が出た時の対応策

この症状が出ている時は、帰れないというと不安が増してしまいます。訴えがあるときは、話を変えたりして対応しましょう。

また、訴えがひどい場合は1度一緒に外へ出て歩いて帰るには遠い事を話してみましょう。その時、施設が居心地のいい場所であることや施設にいてほしい事を話ししてみましょう。

しかし、外へ出て訴えがひどくなることもあります。

そうした場合は、玄関までにして迎えが来るまで待ちましょうなどと話をしてみるといいでしょう。

異食

異食

認知症になると食べ物ではないものを口にすることがあります。

ここでは、異食について見てみましょう。

なぜこの症状が現れるのか?

認知症を発症すると脳の機能が低下するため、食べ物なのか判断することが出来なくなり、異食という症状を引き起こします。

味覚などが鈍くなるため引き起こしたり、不安やストレスを感じて移植をしてしまうこともあります。

症状が出た時の対応策

異食をしたら怒らずに歯磨きをしましょうなどと、声かけをして口の中を確認するようにしましょう。異物が入っていたら吐き出すように促し、吐き出さない場合は口に手を入れてかき出すようにしましょう。

その際、抵抗して噛まれることがあるので注意しましょう。

洗剤やボタンなど吐き出せないものを口にした場合は、すぐに施設にいる看護師や病院に行って診てもらうようにしましょう。

弄便(ろうべん)

弄便

認知症を発症し、排せつ障害が出ると起こる症状です。

ここでは、弄便について見てみましょう。

なぜこの症状が現れるのか?

認知症を発症すると脳が委縮してしまい、排せつ障害などを引き起こします。そうするとトイレ以外のところや下着の中で排便してしまい不快に感じるため便を触るようになります。

また、便という認識はなくなっているが不快を感じるため便を触ったり、色々なものに擦り付けたりするようになります。

症状が出た時の対応策

この症状が起こったときは、まず怒らないように手洗いなどの介助をするようにしましょう。

また、便をする前にトイレに連れていったり、時間を決めてトイレに連れていき排便してもらうようにしましょう。

オムツをしていても弄便をすることがあるので、この症状がある人は早めに取り換えるなどの対処をすると良いでしょう。

幻覚

幻覚2

認知症になると見えないものが見えたり、感じたりすることがあります。

ここでは、幻覚について見てみましょう。

なぜこの症状が現れるのか?

認知症でない方でも幻覚を見る方はいますが、認知症になると幻覚を見たことを見間違いと思うことが出来なくなってしまいます。

また、認知症の種類によっては幻覚を見やすくなり、訴えが多くなります。

症状が出た時の対応策

この症状が出た時は、否定をしたり怒ったりしないように対応しましょう。否定などをすると不安感が増してしまうので注意しましょう。

また、幻覚を見て不安に思っている場合は安心させるように声掛けなどを行うようにしましょう。

うつ

うつ

認知症を発症すると気分が落ち込んだり、興味を示さなくなることがあります。

ここではうつについて見てみましょう。

なぜこの症状が現れるのか?

認知症を発症すると、不安感などが原因で気分が落ち込んだりします。また、脳が委縮するため脳機能が低下することで興味を示さなくなるようにもなります。

施設に入居したころは、今までの生活環境と大きく変わるため不安感からうつの症状を引き起こすことがあります。

症状が出た時の対応策

この症状が出ている時は、注意したり怒ったりしないで話を聞いてあげるようにしましょう。話をして安心すると症状が軽くなることがあります。出来るだけ一人にしないようにし、いろいろな人と会話できる環境を作るようにしましょう。

また、その際脳を刺激し精神を安定させるため回想法などのリハビリを行うといいでしょう。

その他にも、気分を変えるために散歩に出かける機会を作るのも効果的です。

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